今日は、今年最後の本会議。

今日は、今年最後の本会議。
一般質問をしました。
動画は後日UPします!

1.いじめ等学校園の問題を早期解決するための教育現場改革について
(上原)
インターネットで、「神戸市」・「いじめ」と検索すると、上位に「隠蔽」と出てきてしまうほど、過去の様々な事案により、本市の教育委員会への信頼は失墜してしまっています。
実態は、積極的に隠蔽をする意思がなくても、いじめや学校の問題を、児童生徒から聞きながら、スクールカウンセラーや教員が1人で抱え込んでしまったり、教員の多忙化や経験不足によって重大度を見誤り、教育委員会に報告していなかったりした結果、被害児童生徒が転校を余儀なくされたり、出席できなくなったり、生きる望みを失ってしまったりという、取り返しのつかない結果をもたらすことがあります。
そこで、いじめを減らそうと件数に着目するより、いじめを早期発見し、解決に導いたことを評価し、優れた取り組みをした学校表彰したり、解決方法を学校間で共有したりするなどの取り組みを評価すべきと考えますが、ご見解を伺います。

(長田教育長)
いじめへの対応につきましては、いじめ防止対策推進法や本市のいじめ防止等のための基本的な方針に基づき、いじめに対する教諭、教員の意識向上を図り、いじめの早期発見、早期対応に努めて参りました。
その中で、学校ではいじめを認知した際に校内に設置をしております“いじめ問題対策委員会”におきまして、情報共有や対応策について協議をするなど、教職員が1人で抱え込むことがないように、そして組織的な対応ということに取り組んできたところでございます。しかしながら、これまで研修等により再三周知を図ってきたにも関わらず、ご指摘のように一部において、未だに十分な対応ができていないケースがございました。
この点につきましては、大変遺憾に思っております。
より一層対応の徹底を図っていかなければならないと考えております。
ご提案をいただきました表彰等の視点を変えた取り組みということにつきましては、一つの方策であるというふうに考えております。これまでも、教職員等に対する表彰というものを行ってきましたが、いじめへの対応について学校園を表彰した事例はございません。
しかしながら、教育課題が山積をする中で、その解決に向けた効果的な取り組みを評価することによりまして、教職員のモチベーション向上や課題解決を図っていく、ということにつきましては重要な観点でございます。
 いじめに関する積極的で特筆すべき取り組みにつきましても、表彰対象とすることによって、学校園全体への周知共有を図っていくという趣旨も踏まえて検討をしてまいりたいと考えております。
(上原)
日頃の頑張りが評価されるということは、教員の方々のモチベーション向上に繋がりますので、ぜひ積極的に表彰していただきたいと思います。
私は、以前から主張しているように、校則は「他人に迷惑をかけないこと」と、「心身を危険にさらさない」ということ、それだけでいいと思っているんです。
しかし本来、これらのことは家庭で習得すべきことなんですけれども、身についていない子供たちが多かったり、教育を担うのは全て学校だと思っている保護者もいるというのも現実でありまして、結果として、学校に求められる責務というのは、どんどん増えていっている現状であります。
一方、最近お聞きしたいじめ事案で、複数人からばい菌扱いを受けているという被害児童は、枕の下に悩み相談ダイヤルのカードを忍ばせていたそうです。
しかし、その加害児童のうち2人が、道徳の授業で、たまたま いじめについて触れたのを機に、いじめをやめたそうです。つまり、純粋なこどもたちは、気づきの機会を与えるだけで、行動を変える、気持ちを変える。授業中に騒いだらクラスメイトにどんな影響を与えるのか、いじめをされた児童生徒がどんな気持ちになるのか、もしも生きる望みを失ってしまったら、自分は何も感じずに生きていられるのか・・・など、ぜひ小学校、中学校時代に深く、深く考えていただきたいと思うんです。
そうは言われても、教員多忙化の折、そんな余裕はないと思われるかもしれませんが、しかし、いじめをはじめとする学校での生活に関する問題というのは、根本的には共通する内容が多く、また仕組みも共通するものが多くあります。
そこで、それら気づきを与えるショート動画を教育委員会で作成し、ホームルームやオンライン朝会など集会で、全校児童・生徒が視聴できるようにし、心を動かすような教育、取り組みができないでしょうか。

(長田教育長)
小中学校におきましては、道徳やホームルーム等の時間におきまして、自ら考えて、お互いに話し合うということを通して、相手を思いやる気持ちや、規範意識、あるいは命の大切さなどに気づく学習に取り組んでおります。
なかでも、いじめの未然防止ということにつきましては、力を入れて取り組んでいかなければいけないというふうに考えておりまして、今年度からは、新たに文部科学省が作成しました動画教材、いじめに対する理解を促す動画教材を活用しまして、話し合いを通して、様々な意見や考え方に気づき、そして理解を促す、こういう学習に取り組んでおり、来年度からは児童生徒が発達段階に応じて、よりきめ細やかな学習内容を盛り込んだプログラムに基づいて、理解を深める学びができるように、現在、神戸市独自の学習案の作成を進めております。
ご指摘をいただきましたように、やはりこども自身の心を動かして気付きを与える、そういうことは非常に大事なことでございます。動画の活用ということも含めまして、効果的な手法について検討をしていきたいというふうに思っております。

(上原)
いじめの解決方法として、先生が目を光らせるというのも必要なんですけれども、根本的な解決には、やはりいじめをしたら、どうしていじめをしたらいけないのか ということに気づくことだと思います。
先日、いじめ被害者にも加害者にもなったことがあるという方からこんな話を聞きました。
「被害者としては2度 自殺を考えたが、死ぬことは怖くて簡単にできることではない。それなのに自死してしまう児童生徒がどんな気持ちだったのかをしっかり考えてほしい。また、加害者としては、当時いじめてしまった人が、どうか生きていてくれるようにといつも願っている、『生きていてくれてありがとう』と伝えたい」
大人はもちろん子供にも心に響く内容だと思いますので、動画にはこういう方々の生の声を入れるというのも、気づきのきっかけには非常に有効で、これこそ教育だと思いますが、ご見解を伺います。

(長田教育長)
今ご指摘をいただきました通り、やはりこの当事者の体験談を聞く、生の声を聞くということは、やはり子供たちに自身の心に響いて、心を動かして、そして気づきを与える、そういう効果的な手段方法であるというふうに存じます。
現在も児童生徒が主体的にいじめについて考える、考えてもらうということを目的に、令和4年度から神戸いじめ防止フォーラムというものを開催しておりまして、ここでは過去にいじめを受けた経験、あるいはその後の立ち直り等について講演を行うというようなことをやっております。
来年度につきましても引き続き開催し、当日の様子については学校間で共有するということといたしております。
動画の件も含めまして、そういう生の声を聞いて自ら考えて気づくと、こういうことについての効果的な学習方法につきまして、引き続きご指摘の観点も含めて、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

(上原)
文科省の動画が、私まだ見てないんで、どの程度かわからないんですけれども、私が有効だと思っている動画は、3分ぐらいの短いもので、子供たちが見やすいもの、楽しめるものでなければならないと思うんです。
例えば、寸劇で表現するとか、対話形式で表現するとか、いじめ加害者や被害者の体験談を入れるなど、教育委員会がテーマを決めて、動画制作の専門家に依頼するなどして、できれば週1本ぐらいで制作していただきたいなというふうに思っているんです。
普段の授業で伝えられない大事なことを学ぶ機会にしていただきたいと思っております。
最近の教育現場では、椅子に座らせようと肩を押さえただけで、「暴力だ」と騒ぐ生徒もいるとお聞きします。
普遍的な問題というのは子供たちに動画を見て、自ら気づいてもらう。そうすることで、教員の多忙化対策にも役立ち、本市の教育の質が格段に向上し、子供たちの人格形成、ソーシャルスキル向上に繋がると思います。
動画は何らかの方法で保護者の方々にも見ていただきたいですし、また良い動画はYouTubeやTikTokなどでも公開するということで、神戸市の教育への取り組みが評価されると思います。
ぜひ、実現するように検討していただきたいと思います。