1.食都神戸事業の海外渡航の妥当性について(上原)食都神戸事業は平成27年から令和4年にかけて…

1.食都神戸事業の海外渡航の妥当性について

(上原)
食都神戸事業は平成27年から令和4年にかけて8年間で31回7303万円の使った海外渡航が行われてきました。
フランスやシンガポール、アメリカ香港スペインなど多くの国にまたがり一度の渡航で複数人の職員が出張しています。
私が独自に当局に確認したこれら海外出張の成果報告を見ますと、「いちじくが輸送時に傷んで、香港消費者からクレームがあった」「希望ロット数の関係上取引に至らず」などの内容で、そもそも国内でも市内であっても傷みやすく、運搬に細心の注意が必要ないちじく、桃、いちごなどの果物の輸出なんて非常に困難なことや、味噌など小ロットでしか生産できないことなど、わざわざ複数人の職員が海外渡航し実証しなくても分かり切っていることだと、民間感覚で感じました。
私は職員の海外出張や海外での新たなチャレンジを全く否定などしておりません。
ただ、食都神戸事業の海外渡航の目的である「輸出の継続」は農水産物において全く達成しておらず、これまで繰り返されてきた8年間で31回の海外渡航が1回1回本当にどこまで必要性があったのか、その成果や効果がきちんと検証されてるのかを問題視しております。
そのような観点から当局に事前に質問しましたところ、ある担当職員は「海外から来てほしいと言われているので、我々も出張しているのだ」と平然と言いました。
「それなら出張経費も全て現地持ちで招待されてるんですか?」とお聞きしますと、こちらの予算で賄っているということ。
神戸のお金で来てくれて試食までさせてくれて、そりゃ海外現地はありがたいと思います。
それで喜ばれていると感想を成果として報告書に書いてる感覚はいかがなものなんでしょうか。
何度も言いますが、私が当局に確認したところ、海外出張を繰り返し、結果として、市内産の農水産物などの継続的な輸出や輸出高の拡大に繋がっているものは直接的な成果として見てとれませんでした。
一方的に決め付けるつもりもありませんので、もし十分な成果があるとおっしゃるなら、その成果を今この場でお示しください。
私には税金を使っている事業である意識が欠如しているとしか思えません。
このような観点から伺いますが、令和5年度から食と神戸事業における海外出張はどのように見直されますか。

(安岡農政担当局長)
食都神戸事業におきます海外展開は未知の分野でございまして試行錯誤を重ねてこれまでも取り組んできたとところでございます。ある程度成果は出てるかとは思いますが現状まだまだ工夫があるというふうに思ってございます。
来年度につきましては、一旦白紙にいたしまして、今後の海外展開につきましてはしっかりと見直しをする必要があるというふうに考えてございます。
また実施する場合もですね、海外拠点や民間とのさらなる連携の強化を図るなど、工夫して実施したいというふうに考えてございます。

(上原)
はい海外展開が期待できるのは、保存が利く神戸ワイン、ブランデー、そして日本酒だけだというふうにもう分かっていらっしゃると思うんです。
それ以外は飲食店を含めた市内で消費するという、足元を固めるということから始めるべきだと思います。

続いて、食材フェアについて質問いたします。

今年で5年秋冬10回目となる食材フェアですが、参加店が増えていると言ってきていましたが、前回までは同一会社複数店舗での参加で件数が増えているだけで、参加店からのアンケートでは、「ほとんど手応えがない」「そもそもフェア自体の認知もされていない」「反応は薄かった」「宣伝が行き届いてないのではないか」という意見も寄せられています。

これまで委託事業者のための事業になっていると再三指摘させていただき、今年度10回目のフェアでやっと事業者が変わりました。

3月1日現在、63事業者101店舗の参加となり、これまでと比較して倍増しています。

また、これまでの事業者は販促物がこんなポップと、それと地味なステッカーだったんですけれども、今回の事業者は、飲食店事業者ということで、立派なポスターも作ってくれていますし、こんなビラと、そして飲食店も忙しいだろうということで、それぞれの飲食店でこのようなPOPを作ってくれてるんですね。

ただ一番の問題というのは、食材フェアの開催が参加店に入店しないとわからない(前回まで入店してもわからないところもありました)誘客に繋がるには至っていないというところです。

今回の委託先は、飲食店事業者なのでこれまでと違って1軒1軒、飲食店を回って参加を促して、実際に飲食した上で取材までしてサイトに載せてくれています。
神戸市としてもセンター街のモニターでPRするなど取り組みをされていますけれども、例えば市のLINEとか、KOBEぽすと、SNSなども活用してさらなる積極的なPRに努め、神戸食材が美味しく食べられるフェアですよ!ということを3月12日までの食材フェアを盛り上げる最大限の取り組みをすべきではないでしょうか。

(安岡農政担当局長)
まず今回の神戸食材フェアをご評価いただきまして大変ありがとうございます。我々としては委託事業者様と一緒になってこれまでできなかったことを反省しながら取り組んできたというふうに考えてございます。

委員ご指摘のKOBEぽすとかLINEとかいうような部分のことがこれからあると思いますので委員会終了後すぐにできるものは可能でしたらもう今日からもう12日までしかフェアがございませんので、限られた期間全力で積極的な広報に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

(上原)
今回の事業者ですねSNSにお客さんが載せてくれたら、その飲食店にも通知して、飲食店の方すごく喜んでらっしゃるんですね。

食材フェアは単なるイベントではなくて、本来は飲食店に食材を使ってもらうきっかけ作りであるはずです。

食都神戸の目的に「神戸食材を使う飲食店を増やす」と書いてあるのに全くこれまで検証されないまま5年間も食材フェアが実施されて、今回やっと飲食店を巻き込み、本来の食都神戸に近づく食材フェアに、転換される運びとなったと思っております。

食都神戸事業は、平成27年から令和4年まで、これまで8年間続けられましたが、ずっと指摘してきた通り、目立った成果も見当たらず、効果検証も十分されませんでした。
失われた8年間といっても過言ではないと思います。

ただ、ここにきてやっとスタートラインに立ったと思っています。
地産地消の取り組みに前向きな市内飲食店は多くあります。
しかし、こういう食材を仕入れたくても流通が確保されなければ成立されません。
市内飲食店が農家から直接仕入れ、食材を飲食店に届ける仕組みを確立することに予算を使うべきと考えますが、令和5年度の食都神戸は具体的にどのように変わるんでしょうか。

(安岡農政担当局長)
なかなかこれまでの食材フェアが厳しいご評価でございますが、我々5年度以降はですね、もちろん食材を店舗で使っていただいてそれで神戸産の野菜が増えていく生産が増えていくというような形のことはしっかりと目指していきたいので、まずは今やってございますご評価いただいてます食材フェアではございますが、ここではもう実は既に課題等が出てございます。
特に流通の問題なんか出てございますので、これが解決できないと更なるものにはなっていかないと思いますので、まず今年度のやつをしっかりとやりまして、そこから出たものをしっかりと課題を認識した上で、どのようなものができるかを5年度に向けてしっかりと検討していきたいという考えでございます。

(上原)
神戸旬菜についても、他都市の野菜と食べ比べて違いがわかる人ってなかなかいないと思うんですね。
ですので既に有名な神戸ビーフと組み合わせて神戸ビーフのお店に神戸旬菜を使ってもらって組み合わせたらちょうど美味しいとか、そういう評価で広がっていくべきだと思うんですけれども、そのあたりいかがでしょうか。

(安岡農政担当局長)
私も長年観光に携わっていますが神戸ビーフはインバウンドに対しても強い訴求力があるという考えでございます。
ただ神戸旬菜だけに限りますと実は神戸産野菜の中で、まだちょっと15%という部分がございますので神戸産も含めたサイトリーフを兼ね備えた形でのインバウンド誘客につきましては、引き続き進めてまいりたいというふうに考えてございます。

(上原)
世界で最も美食の街というと私サンセバスチャンかなと思ってるんですけれども、ミシュランの星付きレストランやバルが軒を連ねるという街に神戸が成長しないと食都神戸は実現しないと思います。
これまでの取り組みを検証してゼロベースで見直し例えば若手シェフを育てるための規模の大きいチャレンジレストランを設けるとか、複数のレストランの料理を楽しめるワクワクするような高級感あるフードコートを誘致したりと、ハード面を含めた流通などに予算を投入することで、本来目指す食都神戸が実現することを願っております。