総括質疑(R5.3.8)(上原)子供たちを学校現場での理不尽から守り、理不尽を許さない教育への…

総括質疑(R5.3.8)
(上原)
子供たちを学校現場での理不尽から守り、理不尽を許さない教育への転換について質問いたします。
学校で先生など大人から理不尽な対応を受けたことがある児童生徒は少なくないと思います。
例えば、成績など点数の付け方がおかしい、論理的説明ができない校則やルールを押し付けられる、間違った指導をされる。
全ての教員が人格者というのは理想でしかないかもしれませんが、問題なのは、先生から受けた理不尽な対応に声を上げない児童生徒が多いこと。
それはトラウマになり、鬱になったり不登校になったり命を落としたりすることに繋がりかねないので、決して理不尽を我慢することが美徳ではないということを子供たちの意識を変える必要が急務であるということです。
教育現場で平然と体罰があった時代に、意味のない厳しい校則を守り、学校生活を送ってきた親世代の子供であること、自分の意見をはっきり言う人が敬遠される日本人にとって簡単な意識改革ではないと思いますが、理不尽を受け入れてしまう、長いものに巻かれるなんてことを、よりによって教育現場で習得させてしまうということは非常に大問題だと思います。
そこで、神戸市の教育方針として、どこかに思いを書いているだけではなく、本気で理不尽を受け入れるのは正しくないんだ、ことなかれ主義なんて良いことではない。長いものに巻かれてはいけないという強いメッセージを発信し、自分の頭で考え行動できる子供たちを育む取り組みをもっともっと積極的にすべきと考えますが、ご見解を伺います。

(長田教育長)
まず初めにそういう理不尽な指導を行っている教員これに対しましては正していかなければならないのはもちろん、生徒を指導の基本的な方針におきましても、今目指しておりますのは「繋ぐ・育てる」という生徒指導への転換ということでございますので、これにつきましては厳しく指導をしていく必要があると考えています。
その上でそのような深刻な状況、大もということであればこれは当然憂うべき事態であるというふうに思いますし、やはり良い教育活動全般におきまして、教員の方から、何でも先に決めて、指示や指導をする、そういうことではいけないというふうに思いますし、また一方的に価値観を押し付けるということがあってはならないというふうに考えます。
やはり子供たちが自ら考えて、そして子どもたち同士お互いに意見を出し合って結論を導き出していく。こういう過程を大切にしなければならないというふうに思います。
そうでなければ、やはり子どもたち自身が何が正しくて何が間違っているのか、そういうことを自分自身で考えることができる力を身に付けていくということはできないんではないかというふうに私も思っております。
今、校則の見直しを行っておりますが、この過程におきましても子どもの権利を学習した上で生徒会等が中心になって、生徒への意見の集約を行った上でそれぞれの学級で話し合うというような活動を通じて見直しを進めておりますし、また生徒会活動はもちろんのことですけれどもそれだけではなく、例えば修学旅行の行程、班別行動なんかをするときがありますが、こういうことを生徒同士で話し合って決定している学校も多くございます。
また体育祭や文化祭などの学校行事におきましても、生徒の主体的な取り組みを尊重して実施している学校もございます。
やはりこういったような機会を一層積み重ねていく、あるいはこのような活動をもっともっと増やしていく必要があるというふうに考えております。
学校における教育活動の様々な場面におきまして児童生徒が主体的に考えて意見を出し合って関わっていく、こういうことによってやはり社会の一員としての自覚を持つことができると思いますし、委員が御指摘されておられますような自らの頭で考えて判断をして、行動ができる、そういう力を身につけることができるように今後取り組みを積極的に行っていきたいと思っております。

(上原)
はい私が言ってるのは例えば校則であっても白いソックスでいいって答えた生徒が7割いた学校もあったわけです。
本当にそれが生徒の気持ちなのか、そういうことはやっぱり汲み取れていないと思うんですね。
教員からの理不尽な対応を今、相談するなら、神戸市では強いて言うと総合教育センター教育相談指導室か青少年育成センターだと思いますが、対応するのが教員だったり教員のOBであるということは、学校側の立場の人ではないか相談したことで不利益を被るのではないかと考える児童生徒や保護者が少なくないと思います。

また、相談方法も電話か対面でしかできなくて、LINEで相談したい場合は、兵庫県の相談窓口を案内するといいます。
なぜ、市内の子どもや保護者が学校生活や教育で困っているのに、簡単に、県任せにしようとするのか私には理解できません。LINEで相談したいなら、県の窓口にと案内された子ども達はどう思うでしょうか。
「DXと言いながら神戸市は遅れてるな」「神戸市は冷たいな」と思うでしょうし、とても「子育てするなら神戸で」なんて思えないでしょう。
少なくともLINEでも相談できるように改善すべきだと思いますし、対応するのも、教育委員会以外で、人権相談を受けられる外部の窓口を常設すべきと考えますが、いかがでしょうか。
(長田教育長)
現在の学校に相談しても解決しないことでありますとか、学校に直接言いにくいことなどにつきまして子ども達、また保護者からご意見ご相談が、教育委員会の方にも寄せられておりまして、誠実な対応に努めているところでございます。
やはりこのような子ども達あるいは保護者の声をしっかりと聞いて、それを正面から受け止めて答えていくそれを教育行政に反映していくということが重要であると考えております。
今上原委員から御指摘がありましたような点も含めまして、やはり安心して相談しやすい窓口、あるいは手段、そしてもっと申し上げますとその広くは広聴のあり方ということにつきまして、やはりこの手段としてどのような形が望ましいのか、あるいは不足をしているのかこういったことも含めて、児童生徒保護者への発信周知の方法ということも含めて検討をするように教育委員会事務局にも指示をしたところでございますのでのしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。

(上原)
県の「ひょうごっ子SNS悩み相談」の実績報告を見ますと、令和3年度の相互相談、3613件中、1221件、1/3が混雑で対応できなかったとされています。
子ども達のSOSを1/3も聞き逃している状況なのに、市民のSOSを県の相談窓口に回したままでいいと思われますか。

(長田教育長)
「ひょうごっ子SNS悩み相談」につきましては本市といたしましても兵庫県と連携をして実施をしておりまして、その内容につきましては逐次報告をいただきこちらの方でも対応するというふうな仕組みで運用をいたしております。
どうどういう改善といいますかどういう対応が今後できるのかということも含めて先ほど申し上げましたように広聴のあり方、あるいはいろんな相談事をどのように受け止めてどのように応えていくのかと、こういう観点から、検討をさせていただきたいというふうに思います。

(上原)
予算特別委員会において、弁護士への子どもの教育法律相談を年に3回実施しているということで予約がすぐに埋まってしまうとお聞きしましたけれども1回20件、年間60人ぐらいしか相談できず、正直この程度なら、SOSを汲み取れないと思います。
たった1人のSOSも聞き逃してはいけないんです。
また、ひょうごっ子SNS悩み相談の一方向連絡の内容のトップが、学校教職員との関係で全体の3割を占めます。
それだけ、学校や教員に対して不満を持っている。
理不尽に晒されている可能性があると捉えるべきだと思うんです。
教員も間違った指導することがあります。
その場合はきちんと児童生徒、生徒に心を込めて謝罪をするべきですし、子供たちには、教員の言動についておかしいと思えば、そのままにせず気軽に相談でき、解決できることを示すべきだと思います。

教育現場で理不尽を体験し、受け入れてしまうことを習得させるなど、教育としてあってはならないことです。
そして、理不尽に立ち向かわないことは、例えばいじめの現場でも見て見ぬふりをする「
傍観者」になりかねないので、そうならない教育は非常に重要だと思います。
ぜひ改善を求めますので、よろしくお願いいたします。