本日は、令和5年度予算の代表質疑をしました。

本日は、令和5年度予算の代表質疑をしました。
神戸市役所には、費用対効果の検証もされていない海外出張がまん延。市民理解が得られる妥当性が必要と思いました。しかし、民間企業経験のない市長には、私ほどの憤りは生まれないか・・・。

以下、議事録です。

「食都神戸」事業の検証と本来の目的達成のための今後について

【上原】
ーこれまでの検証ー
食都神戸は神戸市が150万人の大都市でありながら、近畿有数の生産額を誇る農業地域および瀬戸内海で営まれる漁業地域を有する豊かな食材に加え、都心は港町として栄えてきた中、独自の多様な食文化が醸成されていることから、神戸のポテンシャルを最大限に活かし、神戸産農水産物を使用した飲食店等の拡大や農を活用した食ビジネスを市内全域に展開し、国内外に発信する事業として2015年からスタートしました。
その事業費は2021年まで7年間の決算額と、今年度、来年度の予算額を合わせ、9年間で5億円を超えますが、ほとんどの市民が食都神戸という言葉さえ知らず、取り組みさえ理解されておりません。
これは令和2年食都神戸プログラムディレクション事業による検証でも明記されています。
5億円以上の投資額の費用対効果として、食都神戸の本来目的は何がどう達成されたと検証しているのか、お伺いいたします。

ー今後の取り組みについてー
これまでの食都神戸事業で目立つのは、ファーマーズマーケットの実施であり、これ自体はにぎわいの創出などの効果がありますが、果たして食の都と位置付けられることに寄与しているのか。実施方法などを見直す時期に来ていると思います。
食都神戸の目的の一つである地産地消を推進するなら、市内各地のスーパーで、神戸産農水産物コーナーを設けてもらい、食都神戸の思いをポップで表示した方が、多くの市民に伝わると思いますし、市内食材を取り扱う飲食店を増やすには、飲食店が仕入れしやすい取り組み、つまり流通の確立に予算を使うべきです。
現在の食都神戸事業は限定された、飲食店のイベントでしかなく、観光という視点が全く抜けております。
例えば、神戸に来た旅行客がファーマーズマーケットで野菜を買って帰るなど、私自分に置き換えて考えると、考えにくいですし、もっと近隣飲食店に協力してもらって、観光客が神戸のおしゃれな空間で、新鮮な神戸農水産物で作った朝ご飯が食べられるなど、単なるイベントとして終わらない観光客目線の事業に変えていくべきだと思います。
神戸が食の都と市内外から認識され、インバウンドも含めた観光客誘致に資する事業に転換するため、令和5年度はどのような取り組みをするのか、見解を伺います。

【今西副市長】
まず食都神戸のその成果についてご答弁申し上げます。
これまで様々な業種と連携をいたしまして、神戸の農業を食という観点から、まちの魅力として育てる取り組みを進めてきたところでございます。
具体的には生産者と消費者をつなぐ場として、ご紹介にもありましたけども東遊園地のファーマーズマーケットの定期開催や、長田区のフィッシャーマンズマーケットや西区のマルシェを試験的に実施してまいりました。
生産者と飲食店と消費者をつなぐ取り組みとして食材フェアも実施をしてきたところでございます。
こうした取り組みを通じて地場産品の認知度向上や生産者の意識の変化、地元のものを食べるというライフスタイルの定着に一定の成果があったものというふうに考えているとこでございます。
一方で海外展開におきましては、インバウンドの誘客として食のプロモーションと神戸産農産物などの輸出を目指しておりましたけれども、農産物の輸出については輸送実験や商談会に取り組んできたものの、流通や物流のハードルがあることから、見直しを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
今後は環境負荷の低減に繋がる地産地消への理解をさらに深めるとともに、ニーズを一層高められるよう神戸産農産物の市内における消費流通の強化に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
さらに神戸は多様な食を味わうことができるまちでありますことから、神戸産の食材はもとより、神戸という土地や文化と関わり合いがある食全般に対象を広げて、神戸の食の魅力発信による観光誘客を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
そしてまた農産物の今後の地産地消という意味では、スーパーや飲食店で神戸産農作物のコーナーを設ければというようなお話もいただきました。そういった事柄が拡大できれば、市民に対するより広い広報にもなるというふうに思ってございますので、そういった取り組みも進めてまいりたいというふうに考えているとこでございます。
そしてまた神戸の観光に関しましては、先ほど申し上げましたように、神戸産の農産物だけではもう限界があるということはもう事実でございますので、その周辺の農産物、さらには文化との関わり合いがあるようなものについても、幅広く対象を広げて神戸の食の魅力をPRしてまいりたいと考えてございます。

【上原議員】
以前に、食都神戸2020の目標を農水産課にお聞きしたところ、ファーマーズマーケットを年50回するって答えられた職員がおられたんですね。そういう感覚が農水産課にはあると私はずっと思っております。
それは全庁的に言えることなんですけれども、市の職員は手段と目的を混同してる人がすごく多いんですね。例えば人事評価の目標に研修を何回やるって書いてるのを見たことがあるんです。
食都神戸もファーマーズマーケットを拡大するっていうのは手段でしかありませんので、どういう目的に近づいているのか、近づいていないなら改革するとか、イベントとして切り離すとか検証すべきだと思いますがいかがでしょうか。

【今西副市長】
今おっしゃいましたようにアウトプットだけで測るのではなくアウトカムもきっちりと目指していって評価すべきという点だと思います。
その点についてはおっしゃる通りだというふうに思いますので、もしもその回数だけをですね、農水産課が説明しているということでありましたら、これはもう意識の大変革が必要だというふうに思います。
基本的にはこの地産地消というものを進めてさらに環境負荷も当然低減をされるわけですから、そういったものが大事だという認識をきちっと広めるということを大事にしながらやらせていただきたいというふうに考えてございます。

【上原議員】
私はずっと思ってるんですけど、農水産課だけに任せるっていうのはちょっともう限界があると思っております。食都神戸事業では、コロナ前まで毎年数人の職員で1回300万とか500万とか使って、フランスへの渡航が行われてきました。
マルセイユ、パリでのプロモーション、農業体験など、アグリインバウンド誘客、食文化の発信などが目的とされていますが、成果というところに書いてあることが、現地の意見を聞いた、ぼっかけうどんやカレーを3400食を売り上げた、という回答しか出てきません。
それは感想でしかなく、成果というのは、フランスと海外からインバウンドが何人来たのか。神戸産品の取引が海外で何件増えたのかということだと思いますが、そのような成果は検証されてるんでしょうか。

【今西副市長】
先生のご質問があってからですね、成果のところの話も、農水産課から見させていただきました。そういったきっちりとした効果の検証というのがなされているとは思えないというふうに思ってございます。
ただこの中でもやはり食材に対する味とか品質の面で評価いただいたり、あるいはまたフランス人のノウハウのような交流コンテンツが大事だというようなこともわかったというようなこともございますので、インバウンドの誘客に対してはそういったものは活かしていきたいというふうに思っているとこでございます。
ただ農業の輸出とか、そういったものに対しての具体的な評価というものはきっちりできていないと、そういう認識でございます。

【上原議員】
300万円使ってぼっかけうどんやカレーを売りに行っていたということになりますよね。3400食売れたと満足してる場合じゃないと思います。
それ以外にも、国の補助金を活用して、香港渡航も2回されていますが、商談を何回したということが成果に書かれてあるんですね。
民間企業なら取引が成立しないと成果と言わないと思いますが、いかがでしょうか。

【今西副市長】
先ほど申し上げましたようにアウトプットではなくアウトカムが大事だというのはもうその通りだというふうに思ってございます。
食の海外展開というものに関して様々民間事業者とともに出かけて、神戸市がきっかけを作った後、民間事業者が独自でそういった輸出が行われているということに繋がっているものもあろうかと思いますので、その点について、今現在の把握、現時点での把握ができてないということもございますので、それをきっちりとまた評価検証をさせていただきたいと思います。

【上原議員】
そもそも私が質問するからといっての検証を始めるなんてすごくおかしなことだと思うんですね。税金を使ってるんですから。
また成果のない香港出張もありました。こんな杜撰な税金の使われ方が許されていいんでしょうか。
海外取引やインバウンド誘客効果を出すべきと思っていない職員が海外プロモーションに行っても、税金の無駄遣いとしか思えません。食都神戸で海外出張。市内事業者が今はこれほど困窮している中、まさか今年度は行ってないですよね。

【今西副市長】
ちょっと私、正確には把握してございませんが、今年度はそういう事業自身がまだ残っていたかもしれません。

【上原議員】
580万円使ってポートランドにイベントに行かれてるようですね。参加者が200人だったと成果に書かれてありますけど、それ成果って言えますか。
シンガポールで神戸フェア開催280万で渡航して、目的である継続的な輸出額はいくら増えたんでしょうか、検証されていますか。

【今西副市長】
先ほど申し上げましたように、そういった神戸市だけのものではなく、民間事業者も含めて行った後の成果というのはまだ私の手元にございませんので、その評価をさせていただきたいと思います。

【上原議員】
検証もされずに何回も何回も継続して海外出張に行くってどうなんでしょうか。
シンガポールでの神戸フェアなんですけれども、輸送時の梱包の方法の確認に行ってるんですね。現地のフルーツ店に委託してるんですから、現地のフルーツのプロにですね、梱包による傷み具合を確認してもらったらいいだけじゃないでしょうか。毎回3人も海外出張する必要があるんでしょうか。

【今西副市長】
今ちょっと言われた梱包の事柄というのは、その出張の一つの目的ということだと思いますけれども、それ以外にも輸出関係のルートであったりとか、飲食店との関係ですとかいろんなものがあったかと思います。
その際、やはり大事なのはこの評価、具体的にそれがどういう効果につながっていったのかということだと思いますので、それをきっちりと評価をさせていただきたいと思います。

【上原議員】
市長は食都神戸のこの海外出張、どのような成果があれば、費用対効果があった海外出張の妥当性があるとお考えでしょうか。

【久元市長】
先ほどから大変一方的なご指摘をされてると思います。
やはり神戸農産物の海外輸出っていうのは、そんなに古くから取り組まれてきたことではなくて、近年始めた取り組みです。未知の分野でもあるわけです。
国はこれは全面的に、非常に力を入れて取り組んでいますけれども、神戸市は神戸なりのやり方で取り組んでいかなければなりません。
ポートランドについてのご指摘もいただきましたけれども、私も参加をいたしました。それは神戸からも、そんなにものすごく数が多いというわけではありませんが、複数の民間事業者に参加していただいて、ポートランドでも、ポートランドで活躍している日本人の経営者や、あるいはシェフや、あるいは現地の方とも様々な意見交換をし、これからあとビジネスマッチングしていこうというような機運も盛り上がっています。
これは未知の分野です。それが必ず、それが実現をしなければ、全て税金の無駄遣いだというご指摘は、そんなこと言ってたら、職員は新しい分野に挑戦できません。やはりそういうような成果もしっかり検証しなければいけませんけれども、職員の前向きな意欲っていうのを阻害するような、そういうような対応は、私は職員に対してはしないつもりです。

【上原議員】
はい、それでしたらコロナ禍から立ち直れない市内事業者がいる中で、海外出張の妥当性を民間感覚で検証していただきたいと思います。