令和8年度予算に対する代表質疑(R8.2.25)
市バス64系統の通勤時間帯減便と62系統増便に関して、乗車データとの矛盾を問う
(上原)
まず市バス64系統の通勤通学時間帯も含めた大幅減便について質疑をいたします。
2024年問題への対応や深刻な運転手不足に対し、本市が持続可能な公共交通ネットワーク維持に向け、路線の適正化や効率化へ取り組む必要性は一定理解します。
しかしながら、今回示された市バス64系統の減便案は、これまでの座って快適に通勤できる水準を捨て、立って乗ればいいという前提で、質の低下を強いるものであり、到底納得できません。
これまで交通局が市民生活の基盤として死守してきた通勤通学時間帯の便数維持から一線を超える極めて異質なものと言えます。
その根拠がこちらです。
令和元年以降行われた市バス64系統の減便は、リモートワークで乗客が激減したコロナ禍でさえ10便程度であったのに、令和8年はその3倍の37便を一気に減らそうとしていること。
また、減便の内訳を見ても、オレンジ色が示す朝7時から9時台のラッシュ時間帯と紺色で示す夜8時から10時という帰宅時間帯は、これまで減らしても数便で、できるだけ影響が出ないようにとどめてこられましたが、今回は、朝の行きが7便、夜帰りが9便も減便されようとしています。
朝のラッシュ時間帯は、IC乗車だけでも平均40人前後、最大50人近い利用者が500円の運賃を払って30分以上乗車する市バス64系統です。
立って乗車する人を増やすのは快適性だけではなく、安全性の観点からも懸念があります。
昨年の運賃値上げにも我慢している利用者に、なぜ今、市民生活の聖域である通勤通学時間帯への影響が出るほどの減便をして市民サービスを低下させるのか、その経営判断の根拠を伺います。
二つ目に、需要に見合う供給との矛盾についてです。
この度の減便やについて、交通局は需要に見合う供給を行うと説明されていますが、データはその説明と全く矛盾しています。
路線ごとの車内人数を見ると、減免対象の64系統は、朝の7時台にはICカード利用者だけでも、1便当たり平均45人と。夕方も40人近くが乗車している一方で、今回増便し、乗客を誘導しようとしている62系統は、朝の7時台や夕方のピーク時ですら、1便当たりの乗客が1人から3人という便が散見されます。
交通局からは、今回のダイヤ変更について、62系統の1便当たりの乗客を現在の4人から6人に増やすと聞き、その低い目標水準に唖然としました。
データが示す需要と交通局の方針は、40人以上乗る営業計数104の満員のバス64系統を減らし、片手で数えるしか乗らない営業係数445のガラガラの62系統に投資するというあべこべな実態です。この矛盾をどう説明されるのか伺います。
三つ目が、市バス64系統の夜間便の半減と地下鉄誘導についてです。
このたびの予算案でもう一つ、通常のダイヤ変更とは考え難い要因が、市バス64系統の夜間を減便し、地下鉄と62系統乗車に誘導しようとしていることです。
計画では、20時台から22時台まで1時間当たり3便ずつ減らすことで、実に半減しようとしています。
これまで待ち時間が10分だったのが20分になれば、神戸北町の利便性は低くなり、居住価値に影響を及ぼしかねません。
交通局は夜間の64系統を減便した分、62系統を増やし、ルート変更を誘導し、地下鉄と62系統を乗り継いでも神戸北町への所要時間は変わらないと主張されていますが、これは典型的な机上の空論です。
1本で座って帰れる直通バスと、疲れた体で階段を上り下りし、寒い中で接続待ちをする乗り継ぎルートは、利用者にとって同じだと主張する感覚を疑います。
実際に2月19日と24日、市バス64系統利用者に、この度の減便案を示し、ご意見を聞いてきました。青いシールが困ると答えた人、赤いシールが困らない人。朝夜ともに170人が困ると答え、始発から乗るなど困らない人はわずか、黄色のシールの地下鉄と62系統で帰るという人は、既にこのルートを利用している方を含め数名しかいませんでした。
事実62系統の夜間の乗車データを見ても、21時以降の乗車客は1便当たり1人か2人です。
64系統の定期で、地下鉄と62系統の乗り継ぎができる2ルートサービスの実証実験をしても、金曜日の最終便以外は1便当たり平均5人以下の乗客がほとんどなのに、交通局は、乗客が3人から4、5人になる日があるだけで1.5倍増えたと評価しています。
利用者がほとんどいないルートに、かつてドル箱路線と言われた64系との乗客を無理やり流し込もうとする。なぜこのような不合理なことが行われるのか、そこにはかつての失敗への未練が見え隠れします。
北神急行が市営化される際、当局は市バス64系統を大幅に減便し、乗客を62系統経由で地下鉄北神線へ誘導しようと画策しました。
その際交通局は2000人が移行すると試算していましたが、私が実際に実施した住民アンケートでは、移行するのはわずか1%、100人弱である事実を議会で突きつけた結果、その無謀な計画は白紙撤回されました。
あれから6年が経ち、今回提案されたのは、遂に通勤通学時間帯まで減便するという暴挙です。
これは働き方改革や運転手不足を隠れ蓑にして、かつて住民が明確にノーを突きつけた無理やりな地下鉄誘導を、なし崩し的に実行しようとしているではないでしょうか。
実際に令和2年以降、昨年までの減便は47、令和8年度に37便の減便が実現しますと北神急行市営化の際に白紙撤回した75便の減便を上回る84便の減便となります。
神戸北町住民のニーズは三宮直通にあります。乗り換えを拒否しているのです。
当時の白紙撤回は、住民の反発を一時的に収めるためのポーズでしかなかったのでしょうか。
住民が利用している三宮直通を減らし、不便を強いることで無理やり地下鉄に誘導しようとする、兵糧攻めのような手法は、行政としてあまりにも不誠実ではないでしょうか。ご見解を伺います。
次に民間活力の検討について質疑をいたします。
今回の減便に当たって交通局は、通常のダイヤ変更と主張することで、民間委託や共同運行等の検討を全く実施していません。
しかし、収入で見ると本市に7億円以上の収入がある64系統を交通局の公営体制の中で維持が困難だというのであれば、民間バスへの委託や共同運行など民間活力の導入を検討してみるべきではないでしょうか。1日6000人以上の乗客がいる。黒字ポテンシャルの高い路線です。
自分たちで維持できないから減便して市民に不便を強いるのではなく、自分たちで無理ならできる民間に任せてサービスを維持する。これが本来あるべき市民利益を最優先した経営判断です。
なぜ民間活力を導入もせず、安易な減便に走るのでしょうか、ご見解を伺います。
最後に大幅減便の周知についてです。
今回示された市バス64系統の変更は、これほど市民に直結する過去6年間と比較にならないほどの大幅減便であるにも関わらず、交通局は通常のダイヤ変更と同じバス停への掲示で済ませようとしています。
令和元年の減便方針の際は、住民説明会を実施し、数百人の参加がありました。
今回説明会を行わないのは、住民の反対を目の当たりにしたくないからではないでしょうか。
生活に影響するほどの減便、4月になって住民が混乱に陥ることを避けるためにも、全住民を対象として説明機会を設け、関係する地域住民に対して十分な情報提供を行い、理解を得る必要があると考えますが、ご見解を伺います。
以上質問多岐にわたりますので、簡明なご答弁をお願いいたします。
(城南交通局長)
それでは、順次お答えいたします。
64系統は、神戸北町と三宮駅ターミナル前を、新神戸トンネルを経由で結ぶ路線でございまして、現在は立席乗車も含めまして、朝ラッシュ時間帯には約3分間隔でご乗車いただいている路線でございます。
64系統の1日当たりの利用数でございますけれども、平成30年度は約9000人の方が、令和6年度は約6000人と3割減少した一方で、運行本数は1割強減にとどまっておるところでございます。
交通局では、市バス事業の持続可能性を担保する目的で、1日データなどを用いて、需給バランスを図り、ダイヤ編成を、これまで朝夕ラッシュ時間帯も含めて実施してきておりまして、今回の64系統のダイヤ編成も実際の需要に合わせて適切な供給を行うことが目的でございます。
64系統は減便となりますけれども、現在ご利用のお客様にご乗車いただける輸送力は確保しておるところでございます。
一方、今回の62系統のダイヤ編成の目的は、輸送力の代替ではございませんでして、北神地域の交通利便性の向上や災害時の移動経路の複線化を目的とした64系統定期券の2ルートサービス、これを令和7年度より開始しておりますけれども、その利便性を実感していただくために、62系統急行便の実証実験などを実施しております。ところが、まだまだ認知度が低いところから今回、増便を行いまして周知を図ろうとするものでございます。
このルートは帰宅時間帯に、新神戸トンネル等で通行障害が生じた場合などにも、より確実性の高い移動経路として選択いただけます。
また、20時以降につきましては、62系統急行便を設定しておりまして64系統直通と所要時間がほぼ同じであることも、64系統に2ルート定期をご利用の皆様の利便性向上に資するものと考えております。
民間活力の導入についてでございますけれども、交通局では、路線ごとの担当営業所は起終点のターミナルや路線環境などを踏まえまして、市バス全体から見て、公立運行となるよう、その分担を直営委託に問わず定めております。
仮に64系統を民間委託の営業所に変更いたしますと、民間に委託していた路線を直営営業所に振り替えるということになりまして、市バス全体の運行の効率が下がる恐れが出てまいります。
丁寧な住民へのご説明でございますけれども、路線の廃止や経路変更などを含みます、路線の見直しは、利用者の皆様によりまして、乗り継ぎが生じたり、バス停が異なる等々で影響ございますそのため、令和8年からおおむね半年前の告知を原則としております。
ダイヤ変更につきましては、需要に応じた供給便数を増減させるものでございまして、従前より変更後のダイヤにつきましては、停留所掲示やホームページでお知らせしているところでございます。
なお、今回より、これまでおおむね10日前に掲示しておりましたものを、この4月分よりは、おおむね3週間前にご案内すべく作業を進めておるところでございます。
いずれにいたしましても、今交通局が取り組んでおります見直しは、利用者の皆様にご不便、ご負担をおかけすることとなりますけれども、路線網全体を維持確保するための方策であること、引き続き丁寧に説明しご理解を求めてまいりたいと考えております。
(上原)
1便あたり45人が乗っている64系統営業計数140 ほぼ100ですね、それを削って、現状わずか4人、増便しても6人という目標の62系統、営業係数が445です。令和6年度。それに人員と車両を割くことのどこが需要バランスの調整なのか市民の方が理解できないと思います。
令和元年、北神急行市営化に伴い市バス64系統を半減、および62系統新設の際の地域説明会は数百人の住民が参加しました。
その際「62系統新設自体を許してはいけない」という強硬な意見の方が数名おられました。
私は当時「62系統を新設に反対するのではなく、連動して64系統を減便されることを阻止すべきなんです」と、その方々をなだめたんです。そうすることで、説明会の膠着を回避することができたんですけれども、今その方々に謝罪したい気持ちでいっぱいです。
「市バス62系統が出来ることで64系統がどんどん減らされていく。神戸市は64系統をなくそうとしているのだ」というのが、その方々の主張でした。
本当にその通りになりつつあると私は不安に思っております。
不誠実極まりない交通局の対応、単なるダイヤ改正ではないと私は断言いたします。
そして2024年問題の法改正。改正されたのは昨年で、令和6年4月です。
該当する昨年度から今年度にかけての減便は12便でした。
なぜ今まで維持できたものが、来年度維持できなくなるのか、そこも私は理解できません。
地域の魅力、将来の収入源を自ら潰す64系統の通勤通学時間帯の減便撤回を強く求め、私の質疑といたします。
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